大判の建築雑誌

壁という壁には棚がつくられ、天井からは、製図用の道具が吊り下げられている。このくらいは序の口だ。たとえば靴。小さな玄関のたたきは、革靴と、サンダルをおいただけでもいつぱいになる。当然他の住居人に叱られる。そこで、玄関脇に板を立てかけ、これに五寸くぎを打って、ズックや革靴などをみんな引っかけられるようにしていた。もちろん、友人の靴もである。こうやって引っかけておけば、雨に濡れた靴もスグに乾いた。まさに下駄箱ならぬ下駄板である。また、ものが増えて寝る場所がなくなってくると、押入れの上段に布団を敷いてそこで寝た。つくりつけのベッドである。安ものの木材を買ってきて、布団の下には大きな引き出しをつくった。これで大きな製図板もしまうところに困らない。そのほかにも、長方形の箱をつくり、大判の建築雑誌はすべてこの中にズラリと並べる。二つつくって、部屋のコーナーにL字形に置けば、しゃれたソファーの出来上がり。しかも、参考にしたい雑誌は、スグに取り出せる。また、タイヤのアルミホイールを拾ってきて、天井からワイヤーで吊るして、観葉植物の植木鉢もおいていた。貧乏学生にしては、小粋な心配りである。しかし、困ったのは採光と通風だ。

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