私の部屋には、ベッドが一台入るきりで、歩くスペースなどほとんどない。その部屋では寝るだけだ。妹のほうには、押入れがついているから、布団を上げ下ろししてもらう。布団を上げてしまえば多少はスペースができるから、着替えたりするのにも便利だ。こうした家具で空間を仕切って二つの部屋に使う方法はここで学んだ。このとき私は、二段ベッドがあったら、もっと便利だと思いついた。部屋の中央に二段ベッドを置く。ベニヤでベッドの上下段に、互い違いに壁をつくれば、両側から使えるだけでなく、部屋の間仕切りにもなる。二段ベッドを使って空間を二倍に利用するわけだ。これで床の部分には、机や本棚も置ける。このテクニック、子供部屋がどうしても一つしか取れないときなど、よく提案して喜ばれた。今では子供部屋の一つのスタイルとまでなっている。いろいろやってみて気づいたのだが、子供は、自分の空間はほしがるが、それが狭いとか広いとか、そんなことはどうでもいいのではないだろうか。いや、むしろ自分の基地のようなスペースなら、コクピットのようにかえって狭い方が大喜びだったりする。それは男の子でも、女の子でも同じだ。まあ、子供部屋のことについては第V章で、じっくり述べるとして、工夫さえすれば、六畳間でも充分に、二人で使えるスペースが確保できるということである。さらに、私が結婚、そして育児の時期に実際に追求した、狭くても楽しく暮らすための工夫。つまり狭楽しさの工夫の数々を紹介しよう。